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015/100 WANDS「PIECE OF MY SOUL」

15枚目に紹介するのはWANDS4枚目のアルバム(フルアルバムでは2枚目)にして

「第2期WANDS」最後のアルバムとなった「PIECE OF MY SOUL」です。


WANDSは91年、まだ10代だったヴォーカル・上杉昇と

スタジオミュージシャンとして活躍していたギター・柴崎浩、

キーボード・大島康祐(現在の表記は大島こうすけ)の3人のグループとして

ドラマ挿入歌「寂しさは秋の色」でデビューしました。

この編成ではシングル3枚とミニアルバム1枚をリリースするも

92年リリースの3枚目のシングル「もっと強く抱きしめたなら」でヒットの兆しが見えたころ

大島が自分のグループであるSO-FI結成のため脱退、後に木村真也が加入することで

「第2期WANDS」がスタートいたします。

中山美穂とのデュエット「世界中の誰よりきっと」の大ヒット、

紅白歌合戦を含む歌番組出演などで人気を高め

(この頃から所謂「ビーイング現象」が始まることになります)

93年のシングル「時の扉」と初のフルアルバムである「時の扉」で

完全にブレイクすることになります。


「愛を語るより口づけをかわそう」「恋せよ乙女」などのヒット曲を連発する中で

彼らを含めたビーイングのアーティストに対するバッシングが始まることになります。

『どの曲も同じに聞こえる』『アーティストの顔が見えない』など・・・

今にして思えば、大手事務所をバックに持たない、もともとスタジオミュージシャンの集まりからの

音楽制作会社という裏方的な色彩が強い事務所だったビーイングへの

他事務所からの圧力的な側面もあるのでは、という話ではあったわけですが

そこからビーイングは各アーティストに方向付けをしていくようになります。

ハードロック路線へと移行していたB'zは髪を伸ばし、さらにハードな路線を進むなど・・・

従来どおりの路線として「Jumpin' Jack Boy」をリリースしたWANDSも

路線変更に向けて動き出すことになります。

まずはこれまでの路線の集大成となる名バラード「世界が終わるまでは・・・」

アニメ「スラムダンク」のED曲としても知られるこの曲は

「WANDS」というグループの代表作ともいえる楽曲となりますが

ここで彼らはこの路線から、新たな路線へと進むことになるのです。


栗林誠一郎のアルバムに収録されていた「It's My Treat」を

上杉が愛するグランジサウンドでカバーしたシングル「Secret Night~It's My Treat」。

これまでのアルバムの中にも片鱗を見せていた『本当に上杉がやりたかったWANDS』が

このシングルでついに表に出ることになったわけです。

そして、このシングルを先行として、ハードでヘヴィ、そしてダークなサウンドが前面に出たアルバムが

今回紹介する「PIECE OF MY SOUL」です。


「パンクロックを聴いてはミルクを飲む老婆 もうその瞳には未来しか映らない

ベビーベッドの中で産まれたての彼は 殺人のニュースにほら 無邪気な笑みを浮かべてる」

そんな歌詞で始まる1曲目「FLOWER」、そしてタイトル曲である8曲目「PIECE OF MY SOUL」には

これまで「大人気のポップロックバンド」というパーソナリティに隠れていた

『こういう音楽をやりたかった』という上杉の喜びを感じます。

その他の楽曲・・・「Love & Hate」や「Foolish OK」、

そして柴崎の弾くガットギターの音も美しいバラード「DON'T TRY SO HARD」にも

上杉の詞世界・・・痛みや孤独という側面が色濃く表現されており、

バブルが崩壊し、先行きに対する不安が世界を包んでいくその空気を

盤面に焼き付けたような作品に仕上がっております。


このアルバムの後、「世界が~」までのシングルをまとめたベスト盤をリリースし

このアルバムの方向性を突き進めた「Same Side」「WORST CRIME」の2枚のシングルをリリース、

そして次なるアルバムに向けてのレコーディングを進めますが、

サウンドが尖ったことによるセールスの低下などの原因により

ビーイングと上杉の間に決定的な亀裂が生じます。

上杉と柴崎はビーイングを離れ、移籍の後al.ni.co.として再デビュー、

ビーイングに残った木村は「第3期WANDS」のリーダーとして

和久と杉本という新メンバーを加え、活動を続けていくことになります。

しかし、この分裂劇は特にWANDS側にダメージを与え、

第3期は「紛い物」的な悪いイメージのままセールスを落とし続け

オリジナルアルバム1枚、ベストアルバム2枚を出して解散、

一方のal.ni.co.もアルバム1枚で袂を分かち

上杉はソロとして、柴崎はT.M.Revolutionのツアーメンバーから

abingdon boys schoolメンバーとして活動していくことになるのです。


このアルバムで唯一木村が作曲した

「MILLION MILES AWAY」は、3期のアルバムでセルフカバーされています。

その歌詞の一節「果てしないしがらみを一人行こう」という言葉どおりに

一人しがらみを背負い、活動を続けた木村、

ひたすらに自分のやりたい音楽を突っ走る上杉、

スタジオミュージシャンとしての立ち位置に戻り、

バンド・セッションプレイヤーとして活動する柴崎、と

3者それぞれの道を歩んだ彼ら。

その彼らの道が奇跡的に重なった唯一の瞬間といえるこの1枚は、

ビーイングや90年代ロックを語る上で外せない名盤といえるでしょう。




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