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040/100 Emerson,Lake & Palmer「Tarkus」

ずいぶん間隔が空いてしまいました。

40枚目のセレクトはエマーソン・レイク&パーマーの代表作「タルカス」です。


元ナイスのキース・エマーソン、

キング・クリムゾンのグレッグ・レイク、

元アトミック・ルースターのカール・パーマー。

このそれぞれ名の通った3人のミュージシャンによって

1970年に結成されたスーパーバンドがEL&Pです。


今回紹介する「タルカス」は結成の翌年、1971年に発表された

2ndアルバムとなっておりますが、実質的には先にライブレコーディングされた

クラシック曲のカバー「展覧会の絵」に続く作品となっております。

(「展覧会の絵」はこのアルバムの制作が始まっていたので本来リリース予定がなかったのが

海賊版流通で急遽リリースすることになった作品だったりもいたします)

エマーソンの演奏するムーグ・シンセサイザーが大きくフィーチャーされた作品となっており

(シンセサイザーを「楽器」として起用したはしり、ということです)

キーボード、ベース兼ヴォーカル、ドラムという編成でありながら

とても鮮やかな音色の作品となっております。


表題曲は組曲「タルカス」として

ジャケットに描かれているアルマジロ戦車怪獣・タルカスの物語が描き出されております。

火山から産まれ、大地を駆け、怪物・マンティコアと遭遇し、戦い、海へと向かう

まるで怪獣映画を見るようなスリリングでスケール感溢れる音世界が広がっており

2010年には吉松隆によって編曲され、東京フィルハーモニー管弦楽団によって

クラシックアレンジされたアルバムも発売されております。

一方、組曲「タルカス」以外の曲に目を向けてみると

ストレートなロックンロールあり、キーボードを中心としたプログレッシブな曲もありと

彼ら3人の個性をそれぞれ発揮したバラエティ豊かな構成になっております。


ギターレスのトリオ編成でありながら、ハモンドオルガンの音を歪ませることで

メロディにハードロック感を出していったり、

「展覧会の絵」でもわかるようにクラシック音楽に深い造詣を持っていたりと

キース・エマーソンが一番のフロントマンであるような感覚も受けますが、

グレッグ・レイクの声、そしてベースサウンドもバンドの重要要素であり

3人の誰が欠けてもこのサウンドは成立しなかったんだなぁと

聴くたびに思わされる作品となっており、

何度聴いても新たな発見に出会える1枚になっております。


この後は3人の方向性の違いなどが鮮明となっていき、

1980年には正式に解散。

パーマーはASIAを結成して世界中で大人気となり、

エマーソンとレイクはコージー・パウエルを加えた

Emerson,Lake & Powell(こっちも略称はEL&P)として再結成を行ったり

92年には元の3人で再結成を行ったり、

2004年にはエマーソンが「ゴジラ FINAL WARS」の音楽を担当したりと

いろいろと紆余曲折を抱えつつも時に再結成、時に個人で音楽活動を続け、

2010年の一夜限りの再結成を最後に、ELPとしての活動をもう行わないことを宣言。

40年にわたるバンドの歴史に(何度目かの)幕を下ろすことになりました。


キング・クリムゾン、ピンク・フロイドに並ぶプログレ界3大バンドとして

外せないバンドと言われる理由が、この「タルカス」と、「展覧会の絵」を

聴いていただければお分かり頂けるようにも思います。

まだ聴いたことのない方には、ぜひ聴いてほしい1枚です。



 

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